その場合、内国民待遇を供与するだけでは不十分で、既存の制度から貿易障害効果を排除し、国内規制を緩和する交渉が行なわれてきた。
また、手続きや規格のような場合は、個々の市場開放交渉よりも無差別の実効をあげやすい国際標準化交渉が行なわれてきた。
たとえば、苦情の原因が輸入手続の繁雑さにあった場合、これは貿易の障害になるとして交渉の対象にされてきた。
東京ラウンド交渉でできた輸入ライセンス協定および通称スタンダード・コードと呼ばれる貿易の技術的障害協定は、輸入の手続きや規格の国際標準化を図っている。
世界経済の相互依存が深化するに従って、このような制度の調和を図る国際協定が増えるであろう。
制度の標準化(standardization)および調和(harmonization)は、内国民待遇の内容の均衡を図るために、次第に多くなっている。
妥当な事項については標準化ないし調和をできるだけ進めることがいまや国際常識となりつつある。
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