昭和五十年代に入って、野菜・果物が、完全に余りはじめた。
それまではもう、つくれば売れる時代だったのである。
ここ一〇年ほどの供給過剰は、品種改良、栽培技術の進歩、周年栽培用施設の改良・普及、農薬......などによってもたらされた。
やっと生産が安定してきたところに、今度は、台湾、アメリカ、ニュージーランドなどから、価格の安い野菜が、続々と輪入されはじめている。
産地は大混乱だ。
たとえばカボチャは、日本から持っていったタネを使って、ニュージーランドが日本人好みのものを大量に日本に輸出してきている。
これまた価格が安いのである。
それによって沖縄県をはじめとする施設栽培の一大カボチャ産地は、大打撃を受けてしまった。
壊滅状態である。
このままでは、程度の差こそあれ、あらゆる野菜・果物が同様の運命を辿るであろう。
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