農民も反省すべき点である。
話が横道にそれたので、元に戻すことにする。
ウルグアイ・ラウンド合意後の農政は、農産物の貿易自由化という嵐の中で、日本の農業が国際競争力を強化して生き残り、自給率を向上し、国民に食料を安定供給しようという内容だ。
国際競争力を強化するためには、経営規模を拡大し、近代的な営農方式を普及させることが必要だというのである。
こうした思考方法は、1980年代に産業界が盛んに主張したことで
もある。
世界で卓越した国際競争力を持つにいたった鉄鋼、電機、自動車などの輸出産業は巨額の貿易黒字に対する海外からの風圧に耐えかねて、農政批判を強めた。