提訴国と被提訴国との相対的な力の差 その2(残留農薬検査)

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途上国にこのような報復の武器のないことが,先進諸国のガット違反措置の横行を許してきた,との指摘もある。

その他の要因には,もっと現実的な問題も含まれよう。

ガット提訴を行なうためには,ガットに相当精通した法律家が必要であるし,訴えの準備とパネル審議等に人手とコストがかかる。

大多数の途上国には,このような法律家が少ないし,また,コストを支払う余裕がない。

ガット事務局は途上国の提訴について技術的援助を与える用意があるが,これを利用する国は少ない。

以上の要因を米国やECについてみてみると,なるほど両者が提訴をひんぽんに行なう事情がよく読める。

訴訟に関する整った国内の法制度や積極的なアブR チ,過剰なまでの自負心,大市場を擁してのバーゲニソグ・パワーの大きさ,報復の能力,多数の法律家の存在など,条件はそろっており,これに政府当事者の強い意思が加われぽ,ガット提訴を阻むものは何もない。


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このページは、-が2015年1月 8日 16:49に書いたブログ記事です。

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