WTOにおける多国間交渉が前にすすまないことが明らかになって以降、2国間・地域間における自由貿易協定(FTA)交渉が大きなうねりとなって押し寄せてきた。
わが国は、シンガポールとの間で初めてFTAを含む経済連携協定(EPA)を結んだが、農業分野は、シンガポールが農業国でないということもあって現状を追認する内容であった。
農業分野も含めた本格的なEPAは、メキシコとの合意がはじめてであった。
しかし、農業分野におけるEPA・FTAの取り組みは、すでに圧倒的に農産物を海外からの輸入に依存し、逆に海外への輸出が皆無であるわが国の農業サイドにとっては容易なことではない。
メキシコとのEPA交渉においても、工業製品の関税撤廃の見返りに、豚肉等農産物のメキシコからの輸入拡大が迫られたのである。
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