結局、メキシコとのEPAは、野菜や果物等、約1100の農林水産品目についてメキシコの関税撤廃の要望に応えるとともに、わが国にとってセンシティブ品目である牛肉やオレンジや果汁等については輸入枠を拡大したが、最もセンシティブな品目である豚肉については、国内の豚肉価格の安定をはかるために設けられた差額関税制度の基本である分岐点価格を堅持し、制度の根幹にぎりぎり抵触しない範囲内での関税引き下げで合意することができた。
こうした、関税撤廃によるわが国からの工業製品の一層の輸出拡大の見返りに、相手国から農産物の輸入拡大をさらに迫られるという構図は、タイをはじめとする東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々との間でも同様である。
こうしたなかで、JAグループとしては、東南アジア諸国とのFTAも含めたEPAは、わが国の経済の状況、そして世界各国の動きをみるとき、一定のすすむべき方向であり、われわれとしても反対するものではないが、次の条件が満たされなければならないと一貫した主張をしている。
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