それは、太平洋戦争が終わってからまもない昭和二十年代のことである。
大多数の農家が、いまでいうところの「有機農法」を実践し、牛、馬を自宅で飼い、その糞尿や堆肥を畑に投入、連作障害が起きぬよういろいろな作物をとっかえひっかえ植えてきた。
さらには化学肥料や化学的に製造された農薬をほとんど使っていなかった。
そんな安全な栽培法を実践していた農家に、こういう指導を徹底的にやったのだ。
堆きゅう肥はもういらない。
万能の化学肥料を使え。
よって、牛や馬を飼う必要はない。
連作障害の心配は、農薬をどんどん撒けば、一挙に解決。
などである。
そうして、農薬・化学肥料が、農業に深く浸透していった。
今度は、その逆を行なえばよいだけのことなのである。
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