午前三時、千葉県柏市の農家「西川ファーム」の軒先に一台の保冷車が滑り込む。
前日に収穫、大型冷蔵庫に入れてある青梗菜(チンゲンツァイ)などの中国野菜を手際よく車に積み込んでいく。
行き先は高級中華料理チェーン、聴珍櫻(横浜市)の首都圏11店。
午前八時前後には到着、十一時の開店時には、料理となって客の前に現れる。
聰珍櫻は千葉県内の三軒の農家と契約、二五-三〇種類の中国野菜の有機栽培に取り組み、月間五トンを買い付けている。
コスト削減を目指し冷凍野菜を輸入する外食店が増えるなか、同社は謝華顕総料理長がニカ月ごとに香港に飛び、野菜のタネを持ち帰り、契約農家で生産してもらっている。
「中国から取り寄せていたのでは、収穫から店に届くまで二週間はかかる。千葉なら一日。鮮度のよさは味のよさ」。
謝総料理長は国内生産にこだわる理由をこう説明する。
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