輸入国が輸入制限のため関税を引き上げれば,その関税上昇分は輸入国の財政収入となるのに反し,輸出自主規制取決めは輸出企業側に収入増をもたらす。
このような収入増以外にも,輸出自主規制取決めは輸出企業別の輸出枠を設定するわけであるから,一時的にせよ企業にとっての予測可能性を高める効果がある。
それゆえに,輸出企業のなかに輸出自主規制の継続を自ら求める傾向も出てくるのである。
他方,輸入国の企業にとっても,輸出自主規制取決めの締結による輸入の減少は,少なくとも一時しのぎになることは確かである。
たとえば,1981年からの日本車の対米輸出自主規制は,米国の自動車産業に息をつぐ時間を与えたし,さらに,輸入車と同様に国産車の価格上昇ももたらして,米企業の利潤増大につながった。
残留農薬検査
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