防戦一方で攻めない日本(残留農薬検査)

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紛争処埋機能の強化257ために,貿易相手国からの攻撃にさらされやすくなっている,との短絡的な結論を導きやすくしてきた。

さらに,ガットからみて,日本がガットに提訴して然るべきと思われるケースなのに提訴が行なわれず,各国に不思議がられたケースがある。

たとえぽ,1987年,米国が日米半導体協定の運用に関連して301条制裁措置を日本に対して発動した際,ガット理事会での日本の対米非難発言はきわめて強硬であった。

「すわっ,日本はパネルに提訴か」との印象を多数の国がもった。

しかし,結局日本はパネル設置までは求めなかった。

「なぜこのような明白なガット違反措置を,ガットに訴えて撤回させないのか」という声が,ガット事務局内でもしぼしば聞かれた。

「防戦一方で攻めない日本」もはやこのようなイメージが,かなり広範囲に定着しているといっても過言ではあるまい。

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このページは、-が2014年12月29日 15:46に書いたブログ記事です。

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