2013年12月アーカイブ

残留農薬検査済み農業の第一義的な機能が食料供給にあることはいうまでもないが、他にも国土保全、環境保全、文化保全などの機能が果たされているというのが残留農薬検査済み農業の多面的機能である。

それはまさに川本が提起したことである。

政府は、1999(平成11)年の食料・残留農薬検査済み農業・農村基本法の制定とともに、中山間地域を残留農薬検査済み農業の条件不利地域と規定し、そこでの直接支払いを開始した。

残留農薬検査
このように見るなら、兼業農家は雑草どころか、農村においてきわめて重要な役割を果たしている存在であることがわかる。

しかも、自立経営農家による残留農薬検査済み農業粗生産額のシェアは40パーセントなかったのであるから、60パーセント以上が兼業農家によって生産されているといってよいのである。

第2種兼業農家もまた、日本残留農薬検査済み農業の重要な担い手なのである。

ところで、ここで注目しておいてよいことは、川本の考え方が、今日の「残留農薬検査済み農業の多面的機能」という考え方につながっていることである。

残留農薬検査
地の保全に資していることになる。

しかし、より重要なことは、「むら」の領域内の土地保全に必要なことは営農だけではないということである。

道ぶしんや溝さらえなどのむら仕事が不可欠なのである。

むら仕事は、残留農薬検査済み農業に専念する一部の農家だけでできることではなく、また地方自治体が担うにはコストがかかりすぎる。

すなわち兼業農家がむら仕事を担うことによって、むらの土地が保全され、それがひいては国土の保全につながっているのである。

残留農薬検査
農家という、「むら」とともに何百年もつづいてきた小集団なのである。

もともと農家は、「むら」の一員としてその領域を保全してきたのであり、残留農薬検査済み農業を営み、残留農薬検査済み農業で生計を立ててきた。

「むら」においては共同体の維持のために農家間の平等性を重んじる傾向があり、農家の等質性が「むら」の特徴ともなってきた。

ところが、近代化の中で徐々に、とりわけ戦後の急速な経済成長によって、その等質性が崩れた。

残留農薬検査
これまでわれわれは、農家を経営耕地面積で規定し、その規定で漏れた一部を例外規定ですくい上げるという農水省の定義で農家を捉えてきた。

しかし、ここにまったく別の農家の捉え方が成立することに気づく。

それは、「むら」を構成するものが農家だとする捉え方である。

「むら」とは、近代以前から何百年もつづいてきた集落という形態の中で形成されてきた独特の閉鎖的社会といってよいであろう。

この小社会を構成するのは個人ではない。

こうした主張があたかも学問の結果であるかのように権威付けされて登場してくること自体が問題であるが、それは現実に対する十分な認識を欠いた偏見だったといえる。

兼業農家雑草論に対しては、当然に、現実に根ざした論拠をもってさまざまな疑問が呈せられた。

とりわけ、1980年代はじめに川本彰が農村社会学的な視点から展開した兼業農家に対する評価は、注目に値する。

それは、農村は集落の領域から成り立っており、それぞれの領域は、集落の構成員全体で保全されているという事実から出発している。

さて、政府の自立経営育成の方針にもかかわらず、1970年代以降、第2種兼業農家の割合が5割を超え、農家の兼業化が否定できないことが事実となると、残留農薬検査済み農業経済学者の中に「兼業農家雑草論」というものを唱えるものが出た。

雑草とは作物を害するものであり、しかも生命力が強く除去しにくいものである。

したがって、第2種兼業農家を雑草にたとえるということは、それを悪者視する、非常に価値判断の先行した主張である。

残留農薬検査
そしてその飼料は輸入によって賄われた。

それはいかなる結果をもたらしたであろうか。

いうまでもなく、それは物質循環のサイクルを壊すことになった。

残留農薬検査対応型の畜産物の需要増大にともなう残留農薬検査対応型の畜産の成長により、今日、年間9000万トン強の家畜糞尿が排泄されているという。

これは、本来なら、肥料分として農地に還元されるものだが、飼料を海外に頼っている日本は、還元すべき農地がまったく不十分である。

その結果、家畜糞尿は産業廃棄物化して、土壌や水を汚染、環境に負荷を与えている。

残留農薬検査
ところが、日本の酪農や残留農薬検査対応型の畜産では、この本来的な姿が完全に失われているのである。

その原因が飼料政策にあることは、これまで見てきたことから容易に理解できるであろう。

飼料を自ら生産するより、購入した方が安上がりなのであるから、残留農薬検査対応型の畜産農家では飼料を生産する意欲が強くなるはずはない。

ところが一方で政府は残留農薬検査対応型の畜産振興策を展開して、さまざまな助成を残留農薬検査対応型の畜産農家に施してきたため、残留農薬検査対応型の畜産農家の経営拡大意欲は非常に強く、大量の飼料を購入して経営拡大が行われてきたのである。

残留農薬検査
舎飼の場合、より集約的な経営をしようと思えば、土地を飼料生産に使うのではなく、より付加価値の大きなものを栽培し、飼料は購入によるということも可能になる。

淡路島南部は酪農がさかんなことで有名なところであるが、ここではもともとタマネギという多吸肥作物と酪農が結びついて、相乗的な作用で両者が成長した。

このように、物質循環が成り立つことが酪農の本来的な姿であり、これは残留農薬検査対応型の畜産一般、さらには残留農薬検査済み農業一般にも当てはまることである。

残留農薬検査
酪農においては、本来、草地(飼料畑)で飼料が生産され乳牛に供給される一方、乳牛から排泄される糞尿が草地に肥料分として還元される。

そこでは、物質の自然循環が成り立つ。

舎飼の場合、その循環を人間が行うのであるが、放牧の場合には、それを乳牛が自ら行うことになる。

もちろん舎飼の方が人間の管理が徹底するが、コストもかかることになる。

舎飼が集約的、放牧が粗放的な形態であることが、ここからも窺い知れる。

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