2014年10月アーカイブ

ロイヤルの「シズラー新宿三井ビル店」。

同店の月商は五五〇〇万円。

同じビル内の「ロイヤルホスト新宿三井ビル店」も、直営二六七店のロイヤルホストの売上高では一〇位。

歩いて三分に立地する「ロイヤルホスト新宿店」は首位だ。

「新宿はまだ出店できる。次に狙うのは丸の内。ロイヤルホスト五〇〇店、シズラーは一〇〇店まで増やせる」と稲田直太社長はファミリーレストランの"コンセプト疲労説"を一蹴する。

しかし新規出店は、もはや郊外にこだわってはいない。

売り上げ効率のよい都心部での拠点拡大にシフトしている。

地価下落で都心のビルの賃料や敷金が安くなったのが追い風になった。

過去の財テクや海外投資の失敗から立ち直り、ロイヤルは再び積極経営に転じようとしている。

午前三時、千葉県柏市の農家「西川ファーム」の軒先に一台の保冷車が滑り込む。

前日に収穫、大型冷蔵庫に入れてある青梗菜(チンゲンツァイ)などの中国野菜を手際よく車に積み込んでいく。

行き先は高級中華料理チェーン、聴珍櫻(横浜市)の首都圏11店。

午前八時前後には到着、十一時の開店時には、料理となって客の前に現れる。

聰珍櫻は千葉県内の三軒の農家と契約、二五-三〇種類の中国野菜の有機栽培に取り組み、月間五トンを買い付けている。

コスト削減を目指し冷凍野菜を輸入する外食店が増えるなか、同社は謝華顕総料理長がニカ月ごとに香港に飛び、野菜のタネを持ち帰り、契約農家で生産してもらっている。

「中国から取り寄せていたのでは、収穫から店に届くまで二週間はかかる。千葉なら一日。鮮度のよさは味のよさ」。

謝総料理長は国内生産にこだわる理由をこう説明する。

すかいらーくがイズミ農園と共同で九六年4月から事業を開始した、有機野菜の卸売会社、いずみ(東京.武蔵野市、横川寛社長)。

イズミ農園が手掛けていた卸売り機能を全面的に移管、年間に三六億円の取扱高を見込む。

イズミ農園は契約農家の拡大と生産指導に特化し、品質向上と供給量アップの一石二鳥を狙う。

生産者側が、すかいらーくグループと手を組むことにした最大の理由は取引条件にある。

相場の動向にかかわらず、品質と量が保証されれば、事前に契約した金額で全量を買い取るという内容だ。

「生産者にとっては安定収入が保証される極めて有利な条件だった」(茨城県でホウレンソウを生産する浅野仁一氏)。

さらにスーパーや一般の青果店の店頭に並ぶ野菜、果物は形やサイズなど細かな規格の縛りがあるが、すかいらーくグループの場合は調理用として使用するため、形のふぞろいや色などの見栄えはほとんど問題にされない。

紀州の梅は、四季がはっきりした温暖な土地柄で、特に梅雨時の豊かな水分を摂って育ち、クエン酸はじめ有機酸を多く含む。

形の似た西洋スモモのプラムとは全く違う味の実をつける。

梅酒の味の決め手はこの高い酸味だ。

「日本人の食生活の多様化が進めば飲むアルコールの酒類も増え、梅酒の需要も伸び続ける」。

九五年12月期の売り上げは前期比三割強増の一七〇億円。

九六年12月期も三割程度の増収が続く見通しで、シェアは約六〇%と断然トップ。

女性からファミリーまで愛飲家は増えており、強気の発言もうなずける。

梅酒の発案は戦後まもなくのころで、アルコールといえば一升瓶の日本酒が主流の時代だった。

事業部門同士が密でないと、コスト管理などが徹底しなくなる恐れがある。

いくつかの課題を抱えながらも、工業的な農産物生産の手法を追求する同社の取り組みは、土地利用などに制約の多い日本のアグリビジネスの将来像のひとつといえそうだ。

梅は中国から朝鮮を経て伝わってきた。

そのままでは食べられない酸っぱい実を、焼酎と砂糖で漬け込んで「梅酒」にしたのが日本人の知恵。

蝶矢洋酒醸造(大阪府羽曳野市、金銅和夫社長)は梅酒を量産し、「食前酒」として食卓に載せることに専念してきた"梅酒一筋"のメーカーだ。

海外での販売も増え、着実に成長を続けている。

梅の名産地、紀州にほど近い大阪南部に蝶矢の工場が広がる。

真偽はともかく、同社の存在は加工食品業界でそれほど一目置かれる存在になっている。

一九六六年創業の若い会社ながら、食品の決め手になる「味」を陰で支える黒子役として、供給先は即席めん、ハム、レトルト食品、カレールー、スナック菓子など優に一万点を超える。

アリアケが得意とする天然調味料は牛や鶏ガラ、魚介類など天然の動物系素材から抽出したうまみエキス。

専門料理店ではよく使われるが、加工に手間がかかり、品質にばらつきが出やすい。

このため大量生産する加工食品には化学調味料が多く使われてきた。

アリアケはこうした天然調味料の将来性に目を付け、手間のかかる調味料生産の自動化・合理化に力を入れてきた。

残留農薬検査
どれもアリアケジャパンの調味料がべースなのではないか。

ある食品香料メーカーの開発担当者は九六年夏、こんなうわさが流れたと話す。

カレー粉業界で江崎グリコの「熟カレー」に対抗してハウス食品が「こくまろカレー」、エスビー食品が「3日仕込みのフレンチカレー」を相次いで投入した時のことだ。

グリコは「一晩寝かせた味」が売り物の「熟カレー」が九五年大ヒットし、シェアを二倍に伸ばした。

ライバル各社はグリコの味の秘密探しに躍起になったという。

その結果、同じように熟成した味が特徴のカレールーが各社から出そろった。

そのどれもが「調味料べースを供給している黒子はアリアケに違いない」といううわさが流れた。

残留農薬検査

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