2013年2月アーカイブ

食糧輸出国の土 その4

| コメント(0)
ボクの同胞から奪ってきた血液を輸血してもらっても、そんなに嬉しくはないからね。

しかも、このウンチの原料はほとんどすべてが、輸入品だ。

アメリカからのものは、まあ、肥料を余分に買わされたと思えばよい。

しかし、いちばん問題なのは、土の痩せた貧しい国からの食糧輸入だ。


残留農薬検査

食糧輸出国の土 その3

| コメント(0)
いや、これだけで過剰施肥になってしまうんだ。

このことだけでも、だいぶおかしいんじゃないかな。

そもそも、ボクをかなめにして起こる物質循環では、ボクの育てた植物がボクから吸った養分を何倍にもして返してくれることは、生態系の中では考えられないんだ。


残留農薬検査
「そうだな。

現在、日本には、まだ五〇〇万ヘクタールの耕地がある。

だから、処理不可能というわけではないが、これには、いくつかの前提条件がある。

このウンチの中に含まれている三要素の量を、日本の全耕地が処理したとしたら、もう化学肥料なんて全く必要がなくなってしまう。

残留農薬検査
「頼まれちゃ、しょうがない。じっくり考えてもらいたいな」

でも、土クンがしんみりとした口調でしゃべり始めました。


残留農薬検査
現在、アメリカ合衆国で起こっているエロージョンの主原因はここにあります。

ビックリしないでください。

世界の穀物市場を牛耳っているかに見えるアメリカは、輸出穀物一トン作るとき、貴重な表土ニトンを流亡しているのです。


残留農薬検査
地上の命を失った土は、やがて地中の命も失います。

乱伐採、焼畑、乱開発がこの原因をつくっています。

また、農業では、化学肥料に頼り、土の中の生態系を忘れると起こります。


残留農薬検査
つまり、健全な土は、土の中の生き物すべてが力を合わせて土を結び、水が押し寄せてきても砕け散らない、心地よい住処をつくっているのです。

ここに、エロージョンを理解する重要な鍵があります。

すなわち、生き物のいなくなった土は、土の一粒一粒がバラバラなので、水が混じると、すぐに泥水になり、流亡が起こるのです。


残留農薬検査
これもまた、その主原因は人間の側にあります。

草花が美しく健やかに咲いている植木鉢に、上からいくらたくさん水をかけても、底からにじみ出る水は、きれいに澄んでいます。

地上の茎や葉を支える根が健やかに張りめぐり、そしてその中にたくさんの生きた仲間たちが住んでいる土は、皆、仲良く手を結び、バラバラにならないからです。


残留農薬検査
ここで耕地の流亡について、その仕組みを考えてみることにします。

土の流亡は、一般には土壌侵食、あるいはエロージョンと呼ばれ、広大な耕地を持つ、北および南アメリカでは土壌保全とは土壌侵食の防止と考えられているほど重要な問題になっています。


残留農薬検査
この最大原因もまた、乱開発、乱伐採、焼畑、無計画な略奪栽培などであり、生態系を無視し、破壊することになんら反省のない人間が、命の母なる大地に対して振るう暴力としか言いようがありません。


残留農薬検査
つまり、自然の生態系のもとでは、生成に見合う流亡があって、見かけ上、釣り合っていたのです。

しかし、現在起こっている土の流亡は、地上でつくられる速さを上回るスピードですすんでおり、地上の土がどんどん減っているところに問題があります。


残留農薬検査
この土が、今、地上からの流亡速度を速めているのです。

もっとも、土は元来、不動のものではありません。

四億年前、この世に現われて以来、絶えず、生まれては消え、消えては生まれ、地上で流転を繰り返しています。


残留農薬検査
しかし、最も効率の良いときでさえ、岩石の風化には地上に届く純放射エネルギーの一万分の一しか利用できません。

何百万分の一、何千万分の一しか利用できない場合も珍しくありません。

すなわち、エネルギー的に考えると土はまさに地上の生物が長い間に残してくれた非常に貴重な遺産なのです。


残留農薬検査
化学方程式で書くと簡単に左から右に進行する岩石や鉱物の風化も、実際に地球上の常温、常圧下で起こるときは、大変な時間と膨大なエネルギーが必要となります。

そして、地上で風化がすすみ土ができるには、地上にいる多くの生物のエネルギー的協力が不可欠です。


残留農薬検査
また農薬を使わないとメイチュウやウンカなどの虫害やイモチ病などの病害が大きくなります。

有機農業は近代農法となじまない点があり、とくに大規模経営のように効率化や高収益を追求する農業では、路線が違い過ぎます。

有機農業は小規模の家族経営でこそ可能だということができます。

有機農業は手間がかかるだけ労働費が高くつき、また病害虫の被害が避けられず収穫量が減ります。

したがってその分、有機農産物のコストが高くなるので、小売価格にはねかえるのは当然です。

残留農薬検査
しかし、化学肥料を多少は使うが農業本来の有機質肥料による土作りに努力したり、農薬使用は最少限に抑えようとしている農家はたくさんいます。

こうした中間的な農家まで否定しては、将来の有機農業の予備軍を失うことになりかねません。

むしろ規模拡大しないと生き残れない日本農業の構造や、無傷の野菜・果物を要求する流通過程の仕組みが、農薬など化学物質の多用を促しているのです。

徹底した有機農業を実践している稲作農家の事例では、水田除草にアイガモを放し飼いしたり、田植えの時に再生紙をマルチ(土壌被覆)したり、さまざまな工夫をしていますが、それでも除草剤使用田とくらべると手間はずっと掛かります。

残留農薬検査
日本の有機農業運動は、こうした近代農法への疑問や反省から出発しました。

有機農業という言葉自体の定義は、学問的に決まっているわけではありません。

しかし、一般的には化学肥料や農薬をまったく使わないでおこなう農業を有機農業といい、その有機農業で生産したものを有機農産物といっています。

こうした有機農業を徹底して実践しているのは、まだごく一部の農家にしかすぎません。

残留農薬検査
「最小の労力で最大の利益を」という近代農法は、1961年の農業基本法に基づく農政によって日本全国で一般化しました。

化学肥料や、殺虫剤・殺菌剤・除草剤などの農薬は、多年にわたる農民の重労働を軽減し、農産物の収穫量を安定させ、規模拡大や大量生産を可能にしました。

化学肥料や農薬なしでは、近代農法も基本法農政も成り立たなかったといえるほどです。

しかしその一方で、化学肥料や化学合成農薬の乱用は、虫や土中の有用微生物を殺すなど自然生態系を壊したり、や、食べものへの農薬残留による消費者の健康被害など、公害を起こしたり、天敵などの益さらに農薬による農民の健康破壊悪影響が問題になってきました。

残留農薬検査
登録保留基準は0・05PPmですから、なんと1000倍になっています。

しかし1000倍にした理由は、厚生省はもちろん農水省や環境庁からも一切説明がありません。

いずれにしても、厚生省が設定した残留農薬基準値の現状からは、日本独自の安全評価データに基づく判断があったとは考えられません。

フェニトロチオンなど、多くの農産物の残留農薬基準が、コーデックス基準にまさに右にならえとなっているのが、1目瞭然です。

厚生省の計画では、あと100あまり追加して合計2百数十品目の農薬に残留基準が設定される予定です。

農薬の残留基準が設定されること自体は好ましいことですが、食習慣の異なる日本の基準に、外国の基準をそっくりそのまま持ち込むような厚生省のやり方は納得できません。

日本人の小麦摂取量がコメの80分の1なら納得できます。

しかし、現実に私たちが摂取する小麦の量は約90グラムでコメの2分の1に近い値ですから、残留基準の8PPmは納得できません。

ジャガイモを収穫した後に発芽防止のために使われ、輸入ジャガイモに残留していると常々問題になっているポストハーベスト農薬のクロルプロファムはどうでしょう。

新しい基準は50PPmと設定されました。

アメリカの環境保護庁が設定した50PP血そのままの値です。

*印が付けられているものは、この基準が92年に始まった新残留農薬基準の設定以前から、すでに設定されていたことを示しています。

右どなりのコーデックス基準は8PPmです。

最右欄のEPA基準はアメリカの環境保護庁(EPA)が設定した値8PPmです。

小麦の基準は新たに設定されて8PPmとなっています。

右のコーデックス基準も同じ8PPmです。

コメとくらべて80倍も大きく、ゆるすぎるとは思いませんか。

コーデックス委員会は、科学的な立場から基準決定する役割を担っている機関です。

コーデックス委員会で決められた残留農薬基準の運用は、95年1月に発足したWTO(世界貿易機関)がおこないます。

どうしてWTOが残留農薬基準の運用に携わるかは、で説明することにしましょう。

マラチオンではコメの基準は0・1PPmです。

農産物中の農薬残留値が登録保留基準を越えたとしても、農産物が販売禁止になることはありません。

そこが厚生省が定めた残留農薬基準と違う点です。

残留農薬基準も登録保留基準も農薬のADIと、私たちの農産物の摂取量に基づいて健康に害がないと考えられる量を決めているので、本質的に両者は同じとみていいものです。

コーデックス基準は、国連のFAO(世界食料農業機構)とWHO(世界保健機構)の合同で組織する国際食品規格委員会(コーデックス委員会)が決めた残留基準値です。

代表的な残留農薬基準と対象農産物をに示しました。

真ん中に示したのが、厚生省が新たに設定した残留農薬基準値です。

この値を越えた農薬が残留していると、農産物は販売できませんし、もちろん輸入もできません。

欄目の登録保留基準は、農薬メーカーが新たな農薬の登録や再登録を農水省に申請する際に問題とされる基準です。

定の方法で、農薬を農作物に使用するとき登録保留基準を越えて作物や土壌に残留するようでは農薬の販売が許されないわけです。

このような背景のもとで、92年に、それまで26農薬にしかなかった残留農薬基準を大幅に増やし、新たな残留基準を設定したのです。

以後毎年のように増やされて、現在=28農薬に残留基準が決められています。

輸入農産物の安全を確保するために、新たに残留農薬基準が設定され、農産物が厳しく管理されることは、私たちにとって好ましいことです。

しかし、問題は新たに設定された残留基準が私たちに納得できるものかどうかです。

アメリカでは収穫後の農産物に農薬を散布し、殺虫や殺菌をして農産物を長期保存するポストハーベスト(収穫後)処理が施されていました。

このような農薬の使い方は、それまで日本ではなかったことです。

昨年の年末には、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の骨組みがまとまりつつありました。

各国が独自に決めている認証や規格・基準を国際的に同じ基準にして、世界貿易を円滑に進めようとする「ハーモニゼーション」(平準化、調和化、整合化などの訳がある)の考え方が合意案に盛り込まれていました。

政府がガットの合意成立を見越して、準備を始めたのもこの頃です。

これまで市場に流通している輸入農産物の農薬汚染の実態と、基準の甘さをみてきましたが、さらにくわしくわが国における残留農薬基準の設定の歴史と、基準を国際的に比較してみましよう。

かなり以前から、26の農薬には残留基準があったのですが、新たな基準が多数の農薬に設定され始めたのは92年のことです。

農産物の輸入が急増し始めた90年代の初め、輸入農産物から日本国内では使われていない農薬の残留が次つぎに発見され、国民の間に不安が広がりました。

とくにポストハーベスト農薬が問題でした。

このアーカイブについて

このページには、2013年2月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

次のアーカイブは2013年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。